復職訓練の記録

復職訓練をしている。
復職訓練とは、就業規則にのっとった勤務が可能な健康状態にあるかどうかを会社および従業員の両方で確認するために、毎朝8:40に会社に行って上長のハンコをもらい、仕事はせず、家にも帰らず、そのあたりの喫茶店や図書館などで1日過ごし、また17:30に会社に行って上長のハンコをもらって家に帰るというおそるべき夏休みのラジオ体操的プログラムである。

私はこれを、1ヶ月の間、ノーミス(遅刻・欠勤なし)で続けないといけない。

 

復職訓練1日目

いきなり寝坊したらどうしよう、と思っていたが、意外と問題なく起きられた。
夫が私の会社のある駅までついてきてくれた。
久しぶりの執務エリアであるが、いなくなっていた期間もたかだか一ヶ月なので、それほど気にすることなく入れた。
一回目のはんこをもらい、この後どうしようかと迷う。
ひとまず、会社の近くのエクセシオールカフェに行き、フレンチトーストとホットコーヒーのモーニングを頼む。しかしあまり食欲がなく、全然喉を通らない。そしてコーヒーを飲んでいたら胃が痛くなってきた。
身体中ばきばきになって終了。
家に帰るとぐったり床に数時間寝転んでいた 。

 

復職訓練2日目

まったくもって起きられない。
無理やり起きたが、頭痛、ふらつき、吐き気がする。
夫が私の会社のある駅までついてきてくれた。
カフェはだめだ、ということがわかったので、図書館に来てみる。古い建物ながらよく手入れされていて意外と居心地がよいが、ネットが遅い。図書館だし、こんなもんだろうか。
インターネット界隈では、自衛隊イラク派遣の日報が読み物として面白いと話題に。
私も読んでみようと思ったが、ネットワーク環境のせいか、朝日新聞のPDFは見れなかったので、Togetterなんかでまとめられていたのを楽しく読む。
私もせっかくだから日記を書いてみようかなと思い、このブログを解説。
お昼ご飯は焼き魚定食。

 

復職訓練3日目

わりとうまく起きられたが、夫が起きなかった。
夫が起きないと、自分も動く気になれないことを発見。
一人で電車に乗って行く。人が多い。
会社につくと、後輩がやってきて絵本を10冊程度プリントアウトした紙をくれた。
何、借りてきて欲しいの?と聞くと
「日中、図書館にいらっしゃると聞いて……一人で図書館に籠もってるのも大変かなと思って。僕、保育士の友達がいて、その子に絵本を教えてもらって、その中から選んだおすすめの本です。よかったら読んでみてください」
と。
なぜ絵本……とは思いつつ、気にかけてくれたのが嬉しい。

昨日と同じ図書館へ。朝早いから、PCコーナー貸し切り状態。
Wi-Fiに繋ぐも、アクセスポイントまでは行くのにインターネットがオフラインになっている状態。色々試したけどなんかだめそうだったから職員さんに言うとルータっぽい機器を再起動してくれた。結果、ストレスのない速度に!
昨日は図書館だからこんなもんかなと思っていたんだけど、単に機器の調子が悪いだけだった。
後から来たおじさんが何事もなくインターネットに接続している様子を見ながら、「ふふ、私が職員さんに言って機器を再起動してもらったおかげだぜ」などと内心で恩をきせる。いや、しかしこのおじさんも繋がらなかったら職員さんに言うのかもしれないし、そもそも色々試そうともしなかった場合は私よりも短い時間であっさり解決した可能性もある。

帰り際、絵本の棚で教えてもらった絵本を探そうとするも、ことごとく存在せず。比較的小さい図書館なので蔵書数が多くないのかもしれない。他の館から取り寄せられる気がするので、予約してみよう。

  

復職訓練4日目

今日はいつも行っている図書館がおやすみ。
ということで、霞が関ビルディングの謎ときクイズラリーに行ってきた。
霞が関ビルディングは日本で最初の高層ビルと聞いていたけど、実際に見てみると大変きれいでで50年の古さを全く感じさせない。
謎ときラリーの最中は多くのビジネスパーソンが活き活きと行き交う敷地内を歩き回る必要があるが、私も会社に行く格好をしてきたのでうまく紛れることができてよかった。私だけ、遊んでいる。
お昼ご飯は、日本酒に力を入れているバルという少し変わったお店でハンバーグ。
これがとても美味しかった。ハンバーグのタネは手作り感のある、玉ねぎの甘みを感じるふわふわな出来で、一方ソースはプロっぽい旨味と深みのある凝った作りで、しかしあくまでも主張しすぎないバランスのとれたもので、とても完成度が高い。お茶碗に入ったご飯を片手にもくもく食べる。
そういえば外食でハンバーグを食べる時は、ご飯がお皿に載ってくることが多い。
お茶碗で食べているのも家ハンバーグ感があるのだな、と気が付く。ガストあたり、オプションでご飯をお茶碗に変更できたら幸せになる人が少し増える気がする。
お昼ご飯の後は、霞が関ビルディング前の広場でひなたぼっこをした。


復職訓練5日目

やっと金曜日!あまり記憶がないが、図書館に行っていたはず。
帰りがけに、隣の課の同僚と一緒になったので駅まで談笑しながら歩く。同僚は
「フレックス制度とか在宅勤務とか、会社で多様な働き方を進めている最中に、なんで今回休職になったのかよく分からない」
と言ってくれた。
私もそう思う。

 

復職訓練6日目

月曜日。
起きるのがとても難しい。
なんとか意識をギリギリ起きている状態に保って30分経過。
声を掛けてもらったり、肩をもんでもらったりして、ようやく身体を動かせるようになった後、ヨガのダウンドックのポーズをとってみる。このポーズをすると、頭に血流が行くのか、少しすっきりするような感じがする。さらに身体が動くようになってきたため、引き続きヨガの太陽礼拝モドキをしてみる。やっと覚醒してきたので、シャワーを浴びる。
時間がなくなってきたので、自分で歯磨きとメイクをするのに並行して、夫が私の髪の毛を乾かしてくれる。時短!
家を出ても大変眠く、会社に着いたらくたくたで、ハンコを押してもらった後、会社の休憩室で1時間程休憩することにした。やっと元気になってきたので図書館へ。

夕方、会社に行くとまた別の同僚が話し掛けて来てくれた。彼も大変朝に弱く、普段はうまく客先直行などで調整してやり過ごしているものの、今日は必要があって久しぶりに8:40に出社したらしい。
「マジ無理っすわ。8:40きつい」
と言っていた。
私もそう思う。
その会話を聞いていた先輩が「毎朝8:40に来てる俺はどうなるんだよ」と言っていたが、それは単に8:40に来れる人ということである。
健康管理室の看護師さんは「みんなね、朝は辛いんだよ」と言っていたが、その辛さは人によって度合いが違うし、そもそもみんな多少なりとも辛いんだったら仕組みの設計からして間違えているような気がする。
朝が得意な人も不得意な人もパフォーマンスよく働けたらいいのになと思う。

 

復職訓練7日目

昨日よりも起きやすかった。頭痛は続いている。
午前中はTULLY'Sで過ごす。
アサイーヨーグルト。おいしい。
お昼過ぎにお蕎麦を食べ、図書館へ。
後輩がおすすめしてくれた絵本をようやっと予約する。2冊ほどはそもそも蔵書になかったが、他の本はほとんど貸出中であった。人気があるんだなあ。それにしてもタイミングが悪く、このままいくとゴールデンウィーク中に届いてしまう。もっと早く取り掛かっていればいいものを。
そうこうしていると夕方になったので、図書館から電車に乗って会社のある駅へ行き、会社へ歩いて行き、ハンコをもらい、また駅まで歩いて帰る。この一日の最後に会社と駅とを往復するのが辛くなってきた。地味に会社が駅から遠いせいで、往復30分くらいかかる。しかも人がとても多くてとても歩きにくい。
だんだん自分は何をしているんだろうという鬱々とした気分になってくる。

 


復職訓練8日目

アラームで目を覚ます。
夫はまだ起きていない。
気を抜いたらしく一瞬で二度寝してしまい、タイマー設定でつくようにしているテレビの音で目が覚める。
夫はまだ起きていない。
そのままテレビを見てしまい、残り15分程度で急いで支度をして出発。
雨がひどかったので、会社の近くのカフェ・ド・クリエでモーニングを食べつつ待機。
飲み物はオレンジジュース。食べ終わって作業をしようとすると、意外なことにフリーWi-Fiがなかった。だからお客さんがシュッとした感じの人が多かったのかもしれない。自分でWi-Fi持ってる系の。
雨はまだやまないので、あまり店は出たくない。ということで、ネットに接続しなくてもできる作業を進める。これはこれで無駄なネットサーフィンを防げていいかもしれない。
なんとなく混みそうな雰囲気が出てきたので、お昼前に図書館に移動。お腹が空いていなかったのでお昼ご飯はなし。
ちょうど雨があがっていてよかった。
図書館に行くのがだんだん嫌になってきた。